1.  はじめに

Mohoに接近中の機体

Mohoに接近中の機体

 一番太陽に近い内惑星であるMohoはKSPの中で非常に往還が難しい惑星です。
 距離的にはKerbin-Moho間とKerbin-Duna間と大差はないのですが、Kerbol周回軌道からMoho低軌道に投入するのに必要なDeltaVは5000m/s以上(会合と減速噴射)と大量の燃料を必要とします。
 対してDuna低軌道へ投入するなら1000m/s程度で済みます。現実世界でのJAXA・ESA合同の水星探査機のベピ・コロンボは、ゲームのようにはいかない燃料を補うために水星到達までに合計9回のスイングバイを予定しています。

 ならば解決策としてKerbinから使い捨て・片道の無人燃料補給機を送るという案もあるのですが、これでは「大量の燃料を送るのにも大量の燃料を必要とする」という状況となるため補給効率が極めて悪くなります。筆者も過去にそれを試みたのですが、Kerbin低軌道で満タンだった燃料が、Moho低軌道に到達する頃には残量20%程度にまで減っているという事はよくあります。なので補給機を何機も送る必要があります。
 その上Mohoにはそれなりの重力(Munの1.66倍)があるので、周回軌道に入れたとしてもそこから着陸する際にも1400m/s程度の噴射量が必要です。

 

 以上の問題を解決するため、今回のMoho探査で用いる探査機及びロケットは、Moho表面上での燃料生成を用います。大まかな構成としては
 ・燃料生成装置を備えた3人乗りのMoho表面着陸/探査機
 ・探査機をMoho周回軌道まで届けるための燃費が良い大型中間段ロケット
 ・大型の中間段をKerbin低軌道まで投入するための超大型下段ロケット

 という構成になります。惑星表面で帰還に必要な燃料を生成するためMoho(月)軌道ランデブー方式は用いません。

 またKerbal Space Programというゲームとして快適なゲームプレイをするために、原子力ロケットエンジン、イオンエンジンは用いません。推力が低過ぎて噴射時間が長くなり、待ち時間が多くなるためです。(NASAやJAXAの様に交代制で24時間常に機体の操作ができればよいのですが・・・KSPは職業ではないので・・・)

 

次のページ
2. 機体構成編 へ

 

Moho往還TOPへ